茶道では,心構え,歩き方,お茶の入れ方,お茶碗の持ち方,相手へお茶碗の渡し方などなど厳しくてしかも細かい決まり事がたくさんあるそうです。はじめたばかりの人は,この規則がいやでやめてしまう人もいるのだとか。たしかに人間決まり事守るよりも自由にお茶入れさしてもらった方がいいような気がします。(その方がお茶をおいしく飲めそう。)
でも,決まり事を守ることは意外に重要だそうです。まず,流派が決めている規則は,過去何代にもわたってもっとも効率よく,しかもおいしく飲めるよう研究されてきたものだからです。また「おもてなし」という心をどのように表現するか,行動という面でも研究されてきたものです。
規則というのは守るのは面倒くさいものですが,守ればその道を極めるのに近道にもなっています。ただ単にお茶を入れていても,お客さんはおもてなしされている感じにもなれませんし,おいしく感じないかもしれません。
スポーツやお稽古事(ピアノ,習字などなど)は,初心者が守るべき決まり事が存在します。この決まり事を極めないと,なかなか上達しません。茶道でも決まり事をすべてマスターしてはじめて,新たな表現方法や作法が開発されてくるそうです。他の分野でも同じ事がいえそうです。守るべき事を守っていくことによって,上手になり,そして自分なりの応用が利き,その道のプロフェッショナルになっていくのでしょう。それにその道でおいて決まり事をマスターしていない人が,新しいお茶の入れ方なんて言っても説得力もありません。
つまり,何か制約(決まり事など)の中で,行動することによって人間は磨かれていくのかもしれません。学校でもいろいろな規則がありました。社会の中でも規則があります。人間関係でも言ってはいけないことややってはいけないこと(道徳)があります。この制約を見極めること,徹底してマスターすることが重要なのかもしれません。
となると,厳しい環境,制約が多いほど,人生の創造度は高いといえるでしょう。つらいことが多い,自分の思い通りに行かないというのは,茶道と同じでその制約をマスターしていく必要があります。そうすると,最後は人生道をきわめて,幸せになっているのかもしれませんよ(笑)。
また,「いきなり黄金伝説」というテレビ番組がありました。「無人島0円生活」とか「一ヶ月1万円生活」とか少し役に立ちそうな企画がある反面,24時間人に見られる生活とかあんまり意味のない企画もあります。
この番組が人気あったのは,勝手に適当な「制約」を仕掛けて,その中で芸人に努力させるというところにあるでしょう。人間というのは何にも刺激なく,自由すぎると制約が欲しくなる動物です。あまりに自由すぎてなんにも感じないと自分がわからなくなるからでしょう。
人は有史以来,自分探しのためにさまざまな修行を開発(!?)しています。お坊さんを見てみると,滝に打たれたり,托鉢したり,座禅したりです。変わったところでは,竹馬にのって生活している男,10円ラーメンを作り続ける男,逆さまに歩く男などもいるそうです(田口2004)。
普通の生活をする私たちにとって,変わった人もいるもんだなぁ,と思いがちですが,あながち変わっているとはいいきれないような気がします。それこそ,やってみないとわからないからです。それにどんな行動にせよ,自分が試練を課して(制約をつけて),行動をしているわけですから,何かしら本人にとって得るものがあるように思います。
友達に誘われて麻雀で時間をつぶす,彼氏の顔色うかがって自分を偽る,などなど回りの環境に振り回されているよりは,自分が決めた約束で行動している方が,自分らしさが出てくるかもしれません。
言えることはなんでも一心不乱に行動すれば人は変われるし,自分らしさが出てくるということです。つまりハードルを設定したら,ハードルを越える自分になります。砲丸をもてば,砲丸を投げれる自分になります。
なんにせよ,一心不乱に行動することによって,何かしらの自分になれそうです。
今まで一心不乱にやってきたことはありますか。そこから自分が得たことを確認してみましょう。自信が呼び戻せます。
私は時間が足らないように感じることが多いです。この制約の中で一心不乱に仕事に取り組んで時間貧乏脱出です(笑)
<参考文献>
田口ランディ(2004)『できればムカつかずに生きたい (新潮文庫)
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